システムエンジニアリングは今後不要になっていく??

情報ネットワーク社会の展開を読んで、大変な結論にたどり着いた。
それは、「システムエンジニアリングは今後不要になっていく」ということだ。
以下に述べる(ジャスト)アイデアは情報システムや情報学に関してまったく素人の意見なので、細かな定義については問わないでほしい、、というか、そんな揚げ足取りはやめてくれ。
内容について、異論・反論があれば歓迎する。

現在、情報システム(エンタープライズには限らない)が構築されている目的は大きく分けて二つであろう。

  1. 会計・経理・勘定・履歴管理といった数値データを収集・集計し、情報とすること
  2. 定性・定量問わず、社内に蓄積された情報を収集すること

ま、これを言う前に、情報はその形式から大雑把に

  • 定量データ(数値データ)→四則演算ができるデータ
  • それ以外のデータ→ 積み上げて計算しても意味がなく、個別それぞれを眺めるためのデータ

とに分類できるであろう。

前者の定量データを扱うにはデータそのものはもちろん、データが格納される入れ物のフォーマットも統一されることが必要だ。それを部門間で勝手ばらばらにやって、いざつなげて計算しようと思ってもどうにもならないからEAIなんてものが一時期流行ったわけだ。

でも、個別の企業でたかだか四則演算するシステムを一から作る必要なんてあるわけ??
もちろん、現時点でこの目的のためにとんでもない人と金が動き、現場が悲鳴を上げていることは知っている。(東証とか、、、、、)

しかし、大部分の企業は経理や人事部門をアウトソースしたり、企業グループ内で会社を作って一括処理したり出来るわけでしょ。
そうなると、パッケージを一部組み替えるだけで終わってしまう。
(少なくとも税制度が同じ国の中では)

だから、相当ユニークな会計処理やものの動かし方をしている企業に対してしか、オーダーメイドどころかカスタムメイドすら要らないわけだ。

一方後者の場合はどうだろう。データは個別に見ていくわけだから合算する必要はない。
ただ、「簡単にとりだせればいい」のだ。
典型的なのがナレッジマネジメントツールだろう。あと、スケジューリングなんていうのもそうかもしれない。
しかし、「簡単にとりだす」なんて、検索アルゴリズムがあればそれで済んでしまうでしょ。もっと目的に即して取り出したいのであれば、ユーザー各々がタグをつけて整理しながらデータを追加していけばいいのだ。タグは相互参照されるから、タグ付けの基準はおのずと修練していくはず。
スケジューリングだって日付・時間のタグさえつけておけば、場所など考えず”ただストレージに放り込んでおけばよい”
後から探し出す=抽出するときにインタフェイスをタグごとに並べて見せる形にすればいいだけなのだ。(だからgoogleカレンダーなるものが出来るわけだ)

となると、勘定系・基幹系以外に広がってきたシステムの役割も、検索技術+タグによってある程度代替できる可能性があるわけだ。

こうなると、本当にオリジナルでシステムを作りこむ領域はものすごく狭くなる。
もっといってしまえば、ERPはもちろん、データベースパッケージ(ORACLEとか)の存在意義すら揺らいでくる。

というのも、RDBはテーブルの定義が肝、つまり、どのフィールドのどういった形式のデータが入っているというデザインがあって初めてSQLが機能するわけだが、検索技術+タグを使えばフィールドやデータ形式なんてくそくらえだ。何も気にする必要がない。
もちろん、四則演算しなければだけれど。

そうなると、今SI業界は人不足で、、と騒がれているけれど、ほんの数年で受注がいきなり激減し、SIerシステムエンジニアが路頭に迷うなんてことも想像できてしまうのだ。

ここまで極端なことは起こらないかもしれないが、今後地道に設計図を組み立てる能力よりも、万能な道具をいかに使いこなし、それで得たデータからいかに情報を紡ぎだし、意思決定・行動にフィードバックできるかという総合力が試される社会になるのでは、と思うのだ。